先日から勝手に始めている(^^;)、“最近読んだ本”のコーナーなんですが、よくよく考えると「これから読もう!」と考えておられる方にとっては、「ネタバレやん!?」となってしまうんですよね・・・。
ですので、「これから読むで!」と考えておられる方は、この記事の時には飛ばして下さいませ・・・(^^;)。
気を取り直して・・・、ここ数日程まとまった空き時間を取る事が出来たので、新たな本を読みましたので、早速ご紹介を・・・。
今日取り上げるのは、“村山 由佳「星々の舟」”。
星々の舟
村山 由佳
この作品は初版が03年でしたので、もうすでに読まれた方もおられるのではないでしょうか。また当時、この作品で村山さんは“直木賞”を受賞されているそうですので、尚更すでに読まれた方もおられるかと・・・。
私は村山さんの作品を読むのは、実は今回が初めてなんですが、正直言って最初に手に取った時にはこのような“内容”とは思っていませんでした。
ストーリー的には、とある一家の6人について順番にスポットを当ててゆき、それぞれが抱えている想いや悩み・迷いと言った心の葛藤を描いているのですが、全体のストーリーの中でも中心軸的な役割を果たしているのが、本の裏表紙にも書かれている、次兄・暁と長女・沙恵との間の“禁断の愛”。
物語がこの部分を中心に進んでいる、と言っても過言では無いでしょうね・・・。
(これだけの書き方だと、このようなストーリーとなっている理由がとても解りにくいかとは思いますが、全てを書いてしまうとホンマにただの“ネタばらし”のコーナーになってしまうので、あくまでも、とても解りにくく書かせて頂きました(^^;))
最初読み始めたときは、とても“重い”印象がありました。“深い(deep)”と表現した方が合っているのか、その辺りはとても難しい部分ではあるのですが・・・。
しかしながら読み終えてみると、この作品はとても“せつないラブストーリー”なんですよね・・・。
お互い想い合っているのに、永遠に結ばれることが出来ない悲しさ・・・。
ラストで父・重之が「幸福とは呼べぬ幸せも,あるのかもしれない」と心で呟いているシーンがあるのですが、この言葉が物語りの全てを凝縮しているのではないでしょうか。
人は生まれてくる場所や状況を選ぶことはできません。
もし仮にこの2人が“結ばれることの出来る状況”に生まれていたら・・・??そう考えてしまうと、とても切ないラブストーリーだと改めて感じてしまいました。
とは言え、評価的には二分するとも感じましたね・・・。
あまりにもストーリーが“濃い”為、感情移入し難い部分があるのも確かですから・・・。
と言う事で、1回目と趣の異なる作品を載せてみましたが、いかがでしょうか??
3回目は・・・、これから考えましょう・・・(^^;)
(村上さんの作品を、更に読んでみようか、などと思ったりもしていますが・・・)